インターネットが無い頃 放送局はFAXで番組の情報を発信していた

DIAL9000情報FAXサービス

ABCテレビの「上沼恵美子のおしゃべりクッキング」が来年春で終了するのではないかという記事がネット上で話題になっています。それでふと思い出したことがあります。かつて母が存命だった頃、この番組で紹介されたレシピをFAXで取り寄せていたことをです。

上沼さんの「おしゃべりクッキング」がスタートしたのは1995年(平成7年)のこと。当時はまだインターネットは一般的ではなく、番組のホームページどころか、放送局でさえまだホームページを開設していないところがあるという状況でした。

その少し前から、放送局などがFAXで情報を提供するというサービスがありました。そのうちのひとつ「DIAL9000情報FAXサービス」の現物が手元に保存してありましたので、どんなものかふりかえってみましょう。印字された日付を見ると1994年(平成6年)5月1日とあります。

総合メニューを見ると、全国のテレビ局やラジオ局、CSテレビ局、有線放送、プロダクションなどがそれぞれに「チャンネル」のようなものをもっていて、それをプッシュホンで指定すると自宅のFAXにその内容が届くという形式になっていたようです。

なかには「読者投稿FAX新聞」というものもあり、少し前のインターネット掲示板のような、今で言うところの大喜利ツイッターアカウントのような項目もあり、それをFAXでやりとりしていたところに古さを感じつつも、それまでの雑誌投稿に比べたら当時は先端的だったのでしょうね。

ただこれ「通話料金のみで情報をファクシミリから取り出すことができます」って書いてあるのですが、東京や大阪などにしかアクセスポイントが無く、名古屋近郊のわが家からだと、総合メニューを受信するだけで8分ほどかかっていたようで、計算してみたら、名古屋近郊のわが家からだと260円ほど通話料がかかってた…と。高いですね…。

ホームページを見るかのように気軽にFAXをじゃんじゃん取り出せたというものではなかったわけですね。

ちなみに、「おしゃべりクッキング」とまったく同時期に放送を開始して現在も続いている、NHKの「ためしてガッテン(のちに『ガッテン!』に改題)」にもFAXで番組内容を取り寄せる「ガッテン情報 FAXサービス」というものがあり、なんと驚くべきことに、現在も稼働しています。

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